製缶と板金の違い 

「製缶」ってなんですか?と聞かれることがあります。
板金はよく聞く単語だと思いますし、車の修理などで板金塗装屋さんとお付き合いした人も居るでしょう。
なので、板金という単語の認知度は高いと思いますし、なんとなく板金はこんな感じと理解している方も多いと思います。

では、弊社社名にもあります製缶(せいかん)はどうでしょう?
聞きなれない単語だと思いますし、漢字表記も製缶と製罐があります。
(詳しくは分かりませんが、意味は同じみたいです)
缶(容器 缶ビールやスプレー缶)そのものを作れるのか?と聞かれることもありますが、弊社では作れません。
辞書等では缶を作る業種として説明されておりますが、鋼板や型鋼などを使い、立体的な構造物を作りだすのが弊社の業務です。

 

・・そもそも、製缶と板金の違とは何か?

ずばり。 扱う板厚(肉厚)が違います。

板金は、薄いもの(9.0mm以下) メイン板厚1.0~3.2mm
製缶は、厚いもの(9.0mm以上) メイン板厚16~40mm

これが筆者の理解です。
注)板金業者様によっては、MAX板厚6.0mmのところもあれば、12mmや16mmを扱うところもいらっしゃるので、あくまでも目安です。
立体的な構造物を作っている点では製缶も板金も同じです。
大きなくくりでの溶接分野としても同じになります。
よって、混同される場合が多いですが、実際は異なります。

・・製缶ってどんな物を作っているのか?
フレーム、ベース、モーターブラケット、イケール、ローラー、シャフト、架台などです。
と記載してもピンと来ないと思います。
その理由として、身近な物で板厚が10mm以上ある製品って思い当たる方いらっしゃいますか?多分ないと思います。
ご自身の周りを見回しても多分無いでしょう。(私が居る事務所の中には製缶品はありません)
板金製品はどうでしょう?
沢山あると思います。PC本体だったり、ラック、机の引き出し、棚を支える部材、冷蔵庫に電子レンジ、車などなど。
これらはすべて板厚が薄く、曲げたり、折ったり、型で作ったり。
身近なところにあると思います。

一方、製缶品は身近にない物ですので認知度が極端に低いと感じています。
人目につく場所に使われない製品を手がていることがほとんどの為、
必要性がある方以外には使われない単語と理解しています。
弊社にて製作している製品は、工場内に設置される場合が多いです。
製造ラインの中に置かれる品物ですので、見る機会は少ないと思います。
HP上に製作物の画像を載せていますので、ご覧ください。
こちらになります。

弊社は製缶業ですので、9.0mm以上が多いです。
メイン(多く扱う板厚または、得意とする板厚)は、
16mm以上で、25mm、30mm、40mm程を多様する構造物等は大得意な部類になります。
板金業者様では扱わないような、100mm極厚板などの溶接も行うのが製缶となります。
9.0mm以上から全ての板厚を扱うのが製缶です。
このような記載をしますと、9.0mmや16mm以下の製品は出来ないのか?と思われますが、そんなことはありません。出来ます。
メイン(得意な)板厚であり、出来ない訳ではありません。

・・扱う板厚が異なる為、使用する溶接機にも違いがあります。
板金 TIG溶接(アルゴン溶接)が主流で、CO2溶接では200A~300Aクラスを使用していると思います。
製缶 CO2溶接がメインとなり、300A~500Aを使い、弊社は500A使用です。アーク溶接の溶接棒もφ5やφ4がメインで、φ3.2も使用頻度が高いですが、φ2.3はあまり使いません。

単純に記載しますと、溶接機のパワーが違います。
溶接する板厚が薄い時は、小さいパワー。板厚が厚くなれば大きなパワーが必要になります。
溶接する母材(素材)を溶かすには、板厚が厚くなればなるほど、大きな力が必要になるためです。
よって、使用する溶接機にも違いが出てきます。

・・溶材にも違いがでます。
溶接機も違う為、溶剤も異なります。
大まかに分類すると、低電流用と大電流用になります。
弊社では、主に2種類の溶剤を使っています。
・SOLIDワイヤー(ソリッドワイヤー)
溶け込みが深いため、開先の溶接に使用します。(面加工される個所の開先溶接)
また、溶け込みを一層深くするための開先内の溶接や、大きな脚長を出す際の前段階に使用しています。
・フラックス入りワイヤー
化粧溶接とも言われます。化粧ですので、仕上げ溶接に使ったり、脚長を出す際に使います。

このように、溶接個所により、溶剤を使い分けています。
また、アーク溶接やTIG(アルゴン)溶接も使っており、
溶接部位や板厚により、4種類の溶接機を使い分けて作業しています。

上記以外にも違いはありますが、溶接に関しては以上のような違いがあると認識しております。
製缶と板金は違う部分が存在していますので、ひとつの判断基準として板厚を考慮して貰えればと思います。
尚、弊社は製缶も板金もご対応致します。何かのお役に立てれば幸いです。

製缶・板金・溶接なら
大田区羽田の有限会社三和製罐にご相談ください。
(お問い合わせはこちらから)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です